〜ルートヴィヒ〜 復元完全版



 
 最初の段階では映画の長さは約4時間30分であった。ヴィスコンティにより最初に編集された版は4時間10分。第一部と第二部にわけて上映しようとした。しかし、制作者側との契約で3時間を超すことは許されず、やむなく3時間4分にヴィスコンティは自ら編集しなおし1972年12月29日にドイツのボンで初公開された。(1980年に日本で公開されたのはこの版だった。)
 しかし,ヨーロッパでの劇場公開版は更にカットされ、2時間10分や2時間23分という短さだった。閣僚達の証言の場面とホモセクシャルを思わせる場面がすべてカットされていた。ヴィスコンティは「あれはテレビ・コマーシャルに改悪された」と嘆いた。
 ヴィスコンティの死後、『ルートヴィヒ』のフィルムが司法競売されると知ったスーゾ・チェッキ・ダミーゴはじめ『ルートヴィヒ』撮影に関わったスタッフらが,ヴィスコンティが望んだ状態にできるだけ近づけ保存するために奔走しこの4時間の復元完全版が生まれた。
 この完全版以前には、3時間43分版もあり日本ではテレビ放映された。

余談
『ルートヴィヒ』のタイトル・・・3時間4分版の時は『ルードウィヒ/神々の黄昏』だった。
4時間版は全く別の作品ということでより近く正しい発音の方を・・・で、『ルートヴィヒ』となった。
 



〜ルートヴィヒ〜 復元完全版で復元されたシーン



第1部

フォン・ホルンシュタインの証言
プフィスターの証言
曲馬場でのルートヴィヒとエリザベート(後半の部分の二人の会話、侍女フェレンツィの登場)
橋を渡る馬車
バート・イシュルのヴィラの庭(前半のエリザベートのセリフ・ハプスブルグ家での辛い境遇)
プフィスターの証言
ワーグナーの家(初めの方のワーグナーとフォン・ビューローの若干のセリフ)
夜の森でのルートヴィヒとエリザベート(全体のかなりの部分・「ローエングリーン」の歌詞を誦しワーグナーの音楽の素晴らしさを説くルートヴィヒ)
イシュルのカイザーヴィラ(乗馬服姿のエリザベートが階段を上がる)
イシュルのカイザーヴィラ,エリザベートとゾフィー(シーン全体)


第2部

フュルストの証言
(3時間4分版での暗殺されたエリザベートの遺体のインサート・ショットはカットされた)
王宮を訪れたワーグナーとビューロー夫妻が辞去したあとのルートヴィヒの苦悩の表情)
コージマに見送られてミュンヘンの家を去るワーグナー(シーン全体)
ベルク城の庭、負傷したオットーのルートヴィヒ訪問(若干のショットが追加)
ベルク城,デュルクハイム大尉のルートヴィヒへの諫言(後半のデュルクハイムのセリフ)
ニュンヘンブルク城の王太后の寝室(ルートヴィヒに結婚の決意を告げられた王太后とホフマン神父の会話の大部分)


第3部

国務大臣クライルスハイムの証言
レジデンツ宮,食卓についたルートヴィヒと女優リラの会話
ゾフィーにバイエルン王家の王冠をかぶせるルートヴィヒ(シーン全体)
ホルニッヒの証言(3時間4分版でのフォルクの証言と差し替えられる)
テリングの証言
レジデンツ宮,王太后のカトリック改宗の儀式(シーン全体)
レジデンツ宮のルートヴィヒの寝室(初めの部分が復元・待たされてしびれを切らしたホルンシュタインが,ルートヴィヒの寝室に入っていく)


第4部


ワーグナーの家のシーン(「ジークフリート牧歌」の演奏)と精神病院のオットーのシーンの順序が3時間4分版とは入れ換えられている
宮中書記官デュフリップの証言
リンダーホーフ城を訪れるエリザベート
リンダーホーフ城のヴィーナスの洞窟を訪れるエリザベート
ノイシュヴァーンシュタイン城を訪問するエリザベート(初めの若干部分)
フンティング・ヒュッテでの無礼講(シーンの一部)


第5部

ルイトポルト親王と閣僚たちの会談,デュルクハイム大佐のルートヴィヒ擁護(シーン全体)
ホーエンシュヴァーンガウ城でのホルンシュタインを中心とする委員会(初めの若干の部分),3時間4分版では、このシーンは戴冠式のシーンの後に置かれている
ベルク城(場内の老化を行く一行、ルートヴィヒがテーブルを見て「ナイフがない」と言うシーン,オルゴールをかけるシーン)
ベルク城,雨の中を散歩に行くルートヴィヒとグッテン教授(ルートヴィヒのセリフの一部)
ベルク城,晩餐中のホルンシュタインたち。ルートヴィヒの失踪に気づき捜索を開始(シーン全体)

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